【カクヨム】【現代ファンタジー】【上位10作徹底分析】【冒頭200文字】

エッセイ

前回の記事では「あらすじ」にスポットを当てましたが、今回は「冒頭200文字」を見てみたいと思います。さて、「人気作は冒頭から引き込む」説はどうなのか。検証してみましょう!

対象としたのは前回と同じですが、

  • ジャンル:現代ファンタジー
  • 文字数:8万文字~
  • ★:1,000個以上

の、10作品です。

ではさっそく冒頭200文字


デーモンルーラー ~定時に帰りたい男のやりすぎレベリング~(一江左かさね(1エモン)) - カクヨム
その男は悪魔を従え、冴えない人生をやり直す!【書籍発売中】

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「マスター、前から2体。近づいてくるみたいだよ」
「そうか、片方は自分がやる。もう片方を頼むぞ」
「うん、了解だよ!」
 マスターと呼ばれた背広姿の男と、巫女装束をした少女が言葉を交わす。
 それ自体は別段おかしなことではない。しかし元気よく応える少女が腰掛けるのは、男の肩の上だった。少女の身長は人形サイズで男の顔ほどもない。さらに半透明の羽を煌めかせ浮遊しだす姿は、明らかに人外の存在であった。


テイルズ・オブ・西野(金髪ロリ文庫(ぶんころり)) - カクヨム
ちゃんとイケメンじゃない主人公のラブコメを望む人たちへ……

[ちゃんとイケメンじゃない主人公のラブコメを望む人たちへ……]

 午後八時を少しばかり回った頃合い。六本木の繁華街、その外れに位置する雑居ビルの地下、二十数坪ばかりのスペースに設けられた手狭いバーでのこと。同店のマスター兼バーテンであるマーキスは、カウンターに立ってグラスを磨いていた。

 店内には彼以外に人の姿は見られない。

「…………」

 開店から間もない時間帯、本日はまだ一人も客が訪れておらず、店内は静かなものである。これといって仕事もない彼は、


異世界でチート能力(スキル)を手にした俺は、現実世界をも無双する~レベルアップは人生を変えた~【旧題:レベルアップは人生を変えた(仮)】(美紅(蒼)) - カクヨム
異世界でレベルアップして、人生もレベルアップ!

[異世界でレベルアップして、人生もレベルアップ!]

 俺――――天上優夜(てんじょうゆうや)は、虐められている。
 それも、今に始まったことじゃない。
 昔から……それこそ、幼稚園のときから、虐められてきた。
 どんなにやめるように頼んでも、さらに面白がって虐めはエスカレートしていくし、先生にどれだけ伝えても聞いてすらもらえなかった。
 それどころか、全面的に俺が悪いとさえ言われる始末。
 学校の連中や、先生たちだけから酷い扱いを受けるだけなら、


中年社畜カードゲーマーの魔法少女狩り【書籍化タイトル:34歳カードゲーマー和泉慎平 信金営業は魔法少女を狩る】(楽山) - カクヨム
敵は魔法少女。これは、男の人生を賭けた死闘【書籍版発売中】

[敵は魔法少女。これは、男の人生を賭けた死闘【書籍版発売中】]

 懺悔したい気分だった、今まで見てきたアニメとかの悪役たちに。

 本当に申し訳ない、と。

 彼らがヒーローに叩きのめされるのを他人事と眺めてきて、本当に申し訳なかった、と。実に爽快な娯楽だとか思ったりして、本当に申し訳なかった、と。

 目の前で正義が振りかざされて――俺は血まみれ、傷だらけ。

 何をしたわけでもない。ただハメられただけだ。狡猾で、醜悪で、からかい好きな『あいつ』に。
 そ


勇者のクズ(ロケット商会) - カクヨム
チンピラの俺が女子高生勇者の家庭教師をやるハメになった件とビールとピザ

[チンピラの俺が女子高生勇者の家庭教師をやるハメになった件とビールとピザ]

 勇者なんて、最低のクズがやる商売だ。

 当の本人である俺が言うのだから間違いない。
 そもそも勇者とは何か? 魔王を始末するために雇われる、『殺人』の専門家だ。こんな仕事を選ぶ時点で、そいつの人格を疑った方がいい。

 具体的な例をあげておく。
 俺の同業者の友人で言えば、殺した魔王の断末魔を録音するのが趣味の《音楽屋》イシノオだとか、元ヤクザの殺し屋としてメシを食っていた《ソルト》ジョーだ


変わってしまった世界で(不可説ハジメ) - カクヨム
祝400万PV!恨みたければ恨んでくれて構わない、だから俺の為に死ね。

[恨みたければ恨んでくれて構わない、だから俺の為に死ね。]

商社に勤める27歳のサラリーマン。
入社したての新人の面倒を見ながら、上司に小言を言われ、やっと持った部下のしりぬぐいに追われる日々。

誰がこんな生活を夢見たんだろう。

就職する時は希望に満ち溢れ、「俺もやっとサラリーマンになれたよ」何てことを親族に語ったこともあった。

それが今ではどうだ。

劣悪な労働環境。
糞みたいな上司。
呆れた同期。

もっとこう、キラキラと仕事に打ち込んで、仲間


主任、その宝箱ミミックですよ!?(@nana777) - カクヨム
美人上司3巻 発売中です

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「牧野!」

 水曜日の気だるい午後三時。
 オフィスに主任の鋭い声が響いた。

「は、はい!」

 名前を呼ばれたおれは、慌てて立ち上がった。
 主任のデスクに走っていく。

「な、なんでしょう」

 その席に着くのは、おれとそれほど歳の変わらないスーツ姿の美女だった。

 腰まで届く艶やかな黒髪。
 きりりとした左目には、男たちの目を引く小さな泣きぼくろ。
 モデルのような、すらりとしたス


ある日から使えるようになった転移魔法が万能で生きるのが楽しくなりました(まるせい(ベルナノレフ)) - カクヨム
現代SF大賞受賞 現代⇔異世界二つの世界を行き来して人生を楽しんでます

[現代SF大賞受賞 現代⇔異世界二つの世界を行き来して人生を楽しんでます]

 朝。目覚めると何となく違和感を覚えた。

「…………どこだよここ?」

 少し錆びた金属の格子に壁に灯る明かりは幻想的な色をしている。
 カビ臭くて通気性がとれていない石造りの壁。地面に描かれた陣形を取った模様。

「夢だよな流石に…………」

 俺は自分の頬を引っ張ると痛みがあるのを認識する。

 なんとなく脳にしこりというか電気が通っているのか、とにかく今まで認識していなかった回路が繋がっ


疎遠な幼馴染と異世界で結婚した夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが?(語部マサユキ) - カクヨム
あえて言おう!幼馴染敗北展開が大っ嫌いだ!【神話級感謝百万pv達成】

[あえて言おう!幼馴染敗北展開が大っ嫌いだ!【超上級感謝80万pv達成】]

 夢を見た。
 前後の脈絡なんてさっぱり分からず、ただただそこに自分がいるのだが、不思議な事に違和感が少しも湧いてこない……まあ大抵の夢なんてそんなもの。
 分かるのはココがどこかの森の中、そして目の前に綺麗な泉、そして中央に聳え立つのは見事な彫刻があしらわれた石碑。
 その前に俺は『彼女』と一緒に手を繋いで一緒に立っていた。
 すでに苦楽を共にした仲間達との別れを済ませ、恩師への最後の墓参りも


暗殺拳はチートに含まれますか?(渡葉たびびと) - カクヨム
VRゲームなら、相手の首を折っても大丈夫。良かったね葵ちゃん!

[VRゲームなら、相手の首を折っても大丈夫。良かったね葵ちゃん!]

 夜中に自分の部屋でこっそりパンチを撃った事はある?
 じゃあ、それを実際の相手に当てた事は?

 戦うというのは、とても気持ちの良いものだ。

 思うがままに体を動かして、本気でぶつかり合う。きっと終われば河原に寝転んで、互いに友情が芽生えたりもするだろう。実に清々しい。

 自分は身体が小さいから向かないって?
 なら、大柄な身体を選べばいい。

 力が弱いから勝てそうにない?
 では、腕力

なるほど!

というわけで、10作品の冒頭200文字をお送りしてきたわけですが、どうでしょうか。それぞれアプローチは全然違うのに、例外なく「高い筆力」を感じさせるものです。違和感がない。また、200文字でつんのめる感覚。つまり「この続きはどうなってるの!?」という感じですね。

いきなりの自分語りはNGという風潮も聞いたことがありますが、この10作品中いくつかはそれですよね。でも、違和感がない。いきなりバトルで始まるもの、問いかけで始まるもの(ピクサーっぽい?)、自分語り(環境説明)、キャッチ―なフレーズの登場……と、細かく見ればきりがないほどに魅力というか勢いが詰まっています。

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これらは間違いなく高い筆力、描写力や構成力……つまり総称するところの「文章力」があってこそできる技。やっぱり「背骨」と「肉付け」をがっちりできるようになって初めて「ウケる」小説を書けるんだなと思いました。ぽっと出の新人がいきなりドリームズカムトゥルーできる世界ではないのだろうと思うわけです。そこまで甘くない。そりゃそうですよね、執筆歴何年っていうのがゴロゴロしてるんです。目の肥えた読者は実力をすぐ見抜きます。秒で。思えば私も最初の数秒で判断していますね。

「小説家になろう」とは比較してないので何ともいえませんが、「カクヨム」って、実はすごくドライな戦場じゃないかなって思っています。簡単に評価やPVがつかないのも、単純にユーザがなろうの1/5しかいないとかじゃなくて、読み手も書き手も恐ろしくドライなだけなんじゃないかと。小説家になろうには60万以上の作品。カクヨムには12.5万作品。ユーザ数に準じて作品数も少ない。だったらもうちょっと反応があっても良いんじゃないかと思うんですが、実際にはほとんど動くことはない。(ただ、「評価されない層」が半数いるのは「小説家になろう」と同じ)

もう一つ感じたのは、上記10作品の作者の多くは(全員とは言えないかも)、「よくエンターテインメントに接している」ことです。「よく」というのは「頻度」もそうですが、接する際の「質」のことも意味します。売れてる作品、ウケてる作品をよく見ているなという。「そうくるか」をうまく使ってる感じがします。良いインプットがあって、良いアウトプットに結びついてるって感じです。

まぁ、タイトルにしてもそうですが、キャッチコピーも(前回見た「あらすじ」も)、秀逸ですよ。さすがだなーという印象です。目指したいレベルだなと素直に思いました。

さて、今回の記事は参考になりましたでしょうか。

それでは良き執筆ライフを!

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