【現代ファンタジー長編】【★150以上】冒頭200文字一覧【2019/05/21データ】

エッセイ

さて、続けざまにいきますが、今度は「現代ファンタジー」です。完結長編(8万文字~)1,454のうち、上位40作品(★150~)の冒頭をご紹介します。

※ちなみにこの「冒頭200文字」シリーズは、こちらでまとめられています

では、抽出条件より。

  • 現代ファンタジー
  • 完結済み
  • 長編(8万文字~)
  • ★150以上

です。ではさっそく見に行ってみましょう!!

現代ファンタジー・冒頭200文字!


悪の総統はじめました(瓜蔓なすび) - カクヨム
やりたい放題、好き放題! 悪の総統だって悪くない!

 突然だが、皆さんは悪について、一体どうお考えだろうか?

 世界は、悪で溢(あふ)れている。

 なんて、いきなり言い切ってしまったが、まずは安心して欲しい。

 これは別に、世間に対して斜に構え、厨二病的なことを言っているわけではない。
 もちろん哲学的な話でもなく、右や左の思想的な話でもない。

 そもそも、ただの高校生であるこの俺に、そんな世の中のなんたるかなんて、分かるわけがない。


今日もまた俺は彼女に思考を読まれている(城崎) - カクヨム
【カクヨムコン4特別賞受賞】キミのコトバで頭がいっぱい

高校生になってから、図書委員として行うことが減ったなと思う。小、中学生の頃は、本を棚へ戻す工程があったというのに、高校生になってからは役割として振られなくなった。新聞作成やカウンター当番、その他企画の実施が、今の主な活動内容だ。本を戻す工程が好きだったわけではない。どちらかと言うと、どの位置になんの本を置けばいいかを探すのは苦手だった。ラベル表記を覚えるよりも、元素記号を覚える方が有意義だとすら


ヤクザな退魔(モロクっち) - カクヨム
柏手打って鯉を呼ぶ、ものぐさヤクザは『掃除』がお上手。

 
 
 誰がはじめに言ったのか?
『ヤクザには、馬鹿でなれず、利口でなれず、中途半端でなおなれず』
 出所がわからないから、格言なのだ。たぶん。
 実際そのとおりかもしれないと彼は思う。
 彼は自分が中途半端どころではない人間であると自覚していた。自分が今、どうしてこんなところでこんなことをしているのか、考えをまとめるのも、経緯を回想するのもめんどくさい。
 だから結論というか設定というか簡潔


英雄存在 -プロトタイプの守護者に少女は願う-(一江左かさね(1エモン)) - カクヨム
幻獣退治は子供任せ? でも子供を護るのが大人の役目でしょう

 襲い来るのは悪夢から現れたとしか思えぬモンスターの群れ。
 甲殻や鱗に覆われた姿もあれば、比翼を広げ飛翔する姿もある。
 砲塔が巨人の手によりねじ曲げられ、装甲を粘性生物が腐食させる。吐き出された炎や雷がトーチカを消し飛ばし、鋭い爪や牙が人を引き裂く。
 それに抗うべく銃声と砲声が鳴り響き、爆発音が幾重にも轟きをあげる。掻き消され、誰にも届かぬ悲鳴は数えきれぬほど。
 それでも人は戦い続けてい


ドラゴンキラー商店街(ロケット商会) - カクヨム
期限は3日! 商店街の草野球チームがドラゴン殺しのために立ち上がる!

 あと三日。
 それまでに、俺たちはドラゴンを殺す必要がある。
 キャプテン・遠藤がそう言っていたのだから、それはおそらく間違いないのだろう。キャプテン・遠藤は商店街の相談役であり、各店舗の状況をおおむね把握している。簡潔に述べるなら、ドラゴンの脅威によって首都圏からの輸送は軒並み遮断され、俺たちの新桜庭市は滅亡の危機に瀕していた。
 やはり誰かがドラゴンを殺さなければなるまい。
 そうでなけれ


悪の総統はじめました ~もう一回!~(瓜蔓なすび) - カクヨム
帰ってきた悪の総統……、今度は戦争だ!

 盛者必衰(じょうしゃひっすい)。

 驕(おご)れたつもりはないけれど、いつまでも高い場所に居続けるということは、やはり非常に難しい。諸行無常と言ってしまえばそれまでだけど、少しでも歯車が狂ってしまうだけで、頂点から底辺に転げ落ちてしまうなんて、よくある話だ。

 無敵のチャンピオンだって、いつかは負ける。
 栄華を極めた文明も、いつかは滅ぶ。
 幸せの絶頂にいるような仲睦(なかむつ)まじい


エア・ウォーカー(森田) - カクヨム
俺たちは、翼を捥ぐ仕事をしている。

かんかんかんかんかん。

踏切遮断機にそっくりな警報機の音が、街の空に響いている。
霞雲の僅かに漂う澄み切った青空。
しかし足元のビル街に人の行き交う姿はない。

かんかんかんかんかん。

丸い目玉をモチーフにした、青いランプを点滅させる警報機。
その先端に座る1人の少年だけが、死んだように静まった都市を見下ろしている。

緩やかに風にあおられる銀色の髪、微かに頬に赤み差す色素の薄い肌、珊瑚の


蒼眼の魔道士(ワーロック)(神島大和) - カクヨム
『腕輪』と『魔法』。今、人の願いはカタチを得る。

 それはいつでもない記憶。今となっては自分だけが知っている一つの過去。
 崩れた天井からは月が覗き、冷たい雪が頬に触れる。
 それとは対照的に少女の周りでは炎が赤く燃え盛る。
 体は動かない。全身は傷だらけでまるで今にも地面が自分を飲み込んでしまいそうだ。
 心は動かない。深い『絶望』が少女を支配する。
 少女はあの時、この場所で、最後まで戦い抜いた一人の少年の背を思い出す。
 少年が差し伸べて


あなたの健康を損なうおそれがあります(作楽シン) - カクヨム
やさぐれ中年と、暴走マイペース女子のバディ小説

 事のきっかけは、つまらない合コンだった。
「あータバコ吸ってもいい?」
 歓迎会なんかでざわつく居酒屋の店内で、一応礼儀かなと聞いてみたら、向かいに座った女は、あからさまに嫌そうな顔をした。「いいけどぉ」と言って、ビールを飲む。表情も言葉も芝居かかった仕種もブッサイクで、イラッとした。
 今日び、喫煙者がもてないのなんか俺だって百も承知だ。だいたい俺だってここが禁煙なら吸わないが、居酒屋だ。居


強盗童話(冬春夏秋(とはるなつき)) - カクヨム
現代人のストレスをふっ飛ばす、最高に大人(コドモ)な劇場型犯罪活劇。

 ロンドン郊外を一台のベンツが猛スピードで駆け抜ける。

 ランチャー砲のオレンジ色が着弾、コンマの間を置いて爆発音。そして建物は炎上した。それから、中に居る人々の阿鼻叫喚(あびきょうかん)。

 地獄絵図のレシピは、適当な場所と適度な数の人間。それから兵器のひとつふたつ。それだけあれば事は足りて、この惨劇は画策(かくさく)した彼らにとって当たり前の結果である。

 そう。計画は綿密に練られ、今


モノノ怪クリニック(関川 二尋) - カクヨム
集まる患者はモノノ怪ばかり ~日常ドタバタ妖怪譚~

 ○~○~○

 関東地方のとある県、その最北端に『七ツ闇(ななつやみ)』という町がある。

 その中心部の丘の上、そこにはかつて神社があった。

 だがその神社、時代とともに忘れ去られてしまった。

 そしてすっかり廃れて、今は町で唯一の診療所へと変わっていた。
 
 神社を改良したその診療所、その名を『七ツ闇クリニック』という。
 
 そのクリニックには町で唯一の医師が住んでいる。
 
 


夜勤(友浦) - カクヨム
夜に産まれた者=全員兵士

「いやっ!! はあっ、はっ……まだっ! まだ! 産めない! 日が! 出てから! スゥ、はぁ、日が出てからじゃないとだめなのぉ――」
 分娩室に妊婦の激しい息がこもっている。
「滝本さん、無理です! 日の出までまだ二時間もあるんですよ!! 深く息をしてっ」
 ひっひっふーと正しい呼吸法をするように諭す助産師に抵抗するように、滝本と呼ばれた妊婦は分娩台の上で身じろぎする。生まれてくる赤ん坊の頭はもう


異世界でパート冒険者しています ~ヒマワリマートの第4倉庫~(安佐ゆう(youです。改名しました)) - カクヨム
「みみみ美香ちゃん、異世界って本当だったの?」 異世界で殺虫剤無双!

 8時半の店内放送がかかり、高梨美香は同僚たちとレジ横のスペースに集まった。
「おはようございます」
「おはようございます」
 店長の掛け声に従業員一同が答える。
 ここはヒマワリマート。人口3万人の小さな町にある地域密着型のスーパーマーケットだ。
 いつも通りの簡単な朝礼が終わり、開店まであと25分。全員で店内の商品を確認する作業に戻る。
「じゃ、行こっか」
 同僚に声を掛けて歩き始めた美香に


カネサダを北極星へ向けろ(梧桐 彰) - カクヨム
ゾンビVS日本刀 少女のため真剣は死者を斬るか

 誰だって、布団に入って目を閉じたときに空想するシーンがあるでしょ?

 それと同じさ。

 夢の中で、僕は無敵のチートヒーロー。ヒロインを助けるために伝説の武器を持って、これから怪物の大群相手に無双するんだ。ただ、今回は普通のゲーム的な空想とはちょっと違っていて――

 まあいいや。とにかくこれから格好いいクライマックスなんだ。よろしくね。

 夕方五時。縁石から立ち上がる。目の前には人間の形


アヤカシ記者、蒸気都市ヲ行ク。(黄鱗きいろ) - カクヨム
大正×妖怪×スチームパンク! 女学生が頑張るお話です。

 大正二十五年、五月三日。
 午後二時ごろ。
 昨夜まで降っていた雨も朝には上がり、街はいつも通り、そこかしこの煙突から黒煙を立ち上らせています。
 私は水たまりを軽やかに踏みつけながら、事務所への道を駆けていきます。泥水が少し跳ねますが、ブーツを履いているので気になりません。雨上がりの少し冷たい風がセーラー服のスカートを巻き上げます。
 目的地の事務所は五階建てのビルヂングの三階にあります。カ


異世界ゲート審査官の日常(ゴッドさん) - カクヨム
変人審査官 VS 迷惑異世界人! 勝つのはどちらだ!?

 時代は遥か未来。

 日本に異世界へ通じる門が開いた。

 これにより異世界から様々な人物が門を通じてこの世界にやって来るようになった。この影響もあって、人間の価値観や交流はかなり進歩したのだ。

 しかし、全ての入界者が人間に対して友好的とは限らない。危害を加える目的で入界しようとする者もいた。

 そんな入界者を選別するため、門を囲むように空港のような巨大な建造物が構築され、門の手前には人


巫女レスラー (陸 理明) - カクヨム
舞え、戦え、巫女の中の巫女、最強のレスラーよ!

 白いマットのジャングルならぬ、神社の境内に敷き詰められたキャンバスの上では、見た事もない奇っ怪な死闘が始まっていた。
 何が奇っ怪と言ったら、まず場所がそもそも異常だ。
 ここは僕の家のすぐそばにある神社。
 僕や妹が七五三や初詣に利用する、由緒正しい神社だった。
 そこの境内(普段なら神主さんが掃除をしたりしている)に敷き詰めた6メートル四方の白い板、四つの角に建てられた鉄製の柱、その間に


機械オタクと魔女5人 ~Machine Nerd~(於田 縫紀) - カクヨム
物を作ったり女の子にいじられたりする話です。401話+αで無事完結

 4月5日。
 春休み最後の日。
 俺、長津田修は自室のパソコンでアルドゥイーノのプログラムを書いていた。
 課題は既に終えているので単なる趣味の電子工作である。

 作っているのは目覚まし時計。
 ただし魔力使用の覚醒状態センサーを付けている。
 真に目が覚めないと音が止まないという代物だ。
 覚醒状態センサーをブレッドボードで繋ぎ、もう少しで完成。
 そんなところで寮内連絡用インタホンが点滅


100年後の将棋界はバトル物(ぷいゔぃとん) - カクヨム
【金のたまご】人が死ぬ!衝撃の異能力将棋バトル!【祝!14000pv】

 21XX年。

 車は空を飛んでいる。AIの発達で進化を続ける世界は、将棋にだって例外ではなかった。

 俺は、パソコンの前でとある将棋の生中継を観ていた。

 第173期名人戦七番勝負の最終局。

 将棋界では、『闇の帝王』の異名で恐れられている狂死(きょうし)惡乱(わるらん)名人。

 それに対するは、史上初の小学生名人という偉業を成し遂げるべく闘う『光の貴公子』、佐藤(さとう)四五六(し


大正幽歩廊(佐々木匙) - カクヨム
ガス灯の下に影を得た、見えざる隣人たちを訪ねて

 これから、お世話になる予定の先生のお宅に、十六歳になるお嬢さんがいらっしゃると知ったのは、まさに上京したその日、発着場でお二人の出迎えを受けたその時だった。

 先に拝見していた写真と同じく、口髭を蓄えた少し髪の薄い先生が手を振る横に、ひよこの羽毛のような柔らかい黄色のワンピースを着た澄まし顔の細身な少女が立っていた。初めは他の誰かを迎えに来た別口の人だと思い込んでいた。だから、先生が彼女に話


不思議研の影部長(C-take) - カクヨム
ちょっと変わった七不思議がある学校。実際に通ってみたくないですか?

 放課後の教室。二人の女子が窓際の席で談笑をしている。

「ねぇ、ユキ。うちの学校の七不思議、聞いた?」

 入学から数ヶ月。環境にも慣れ、新しい刺激を欲し始める時分。二人の会話は先日聞き及んだこの高校――七咲学園(ななさきがくえん)の七不思議に及んでいた。代々先輩から後輩へと語り継がれていく、学校ごとに内容の異なる七つの怪奇談。その内容は一風変わっていて、他校に比べ圧倒的に認知度が高い。そして


都庁上空の世界樹は今日も元気なようです。(村雲唯円) - カクヨム
現代東京✕幻想要素。『サイダー系』青春ファンタジー!

 学校帰りの夕方、周りのビルが落とす影に覆われた池袋西口公園。

 四月始めの、冬の名残を少しだけ含んだ春の風が、俺の頬を優しく撫でる。

 たまたま今日に限って帰り道を一本ずらした。特に理由などもなく、ただ、何となく。

 だが、それによって遭遇した目の前の光景は、俺にとって相当なインパクトがあった。

 そも、『俺のじいちゃんを除いて俺と同じ力を持っている人とは、生涯の中でもう出会うことはほ


前に進めば痛くない!(梧桐 彰) - カクヨム
青春は熱気のなかに、少女は疾風のように、

 強烈な衝撃が全身に走った。
 一瞬だった。それまで海が見えていたのに、今は空が見えている。遅れて先輩の顔が視界に割り込んできた。制服の時は冗談ばかり言ってるくせに、今は真剣な目で私の腕をがっちりかかえている。
 ぐらぐらとゆれる感覚が消えて、意識が戻ってきた。焦げるように熱い世界。ここは沖縄。やっているのは女子高生同士の全力の取っ組み合い。背中を削るのは宝石のように白い砂。鋭い光の降りる灼熱の


地獄が過保護過ぎてワラタ(紅蓮士) - カクヨム
様々なクレームに善処した結果、八大地獄の熱湯は40度になりました。

 山内リョウ。

 享年27歳。

 死因は急性アルコール中毒起因の窒息死。

 務めていたショットバーになかなか出勤しないため

「今日はサボりか」
「今日もサボりか」
「最近来ないな」
「無断欠勤が多いな」
「もしかして逃げた?」
「闇金から金借りて山に埋められたか?」
「様子を見に行こう」

 となって、ようやくその亡骸が発見されたのは、死後一週間後のことだった。

 冬場で、外気と大差な


ロックンロール・ヴァンパイア(真野絡繰) - カクヨム
音楽を愛するおチビ少女が、ヴァンパイアと一緒に武道館のステージに立つ!

 東京・日本武道館。

「いいかい、みんなーーーーっ!!」

 ロック・ユニット『Bloody』のライブ。
 2度目のアンコール。
 セットリストのラストを飾る曲『夜よ、いつまでも』の激しいイントロが流れる。

 1万人の熱狂――。

 荒々しく歪(ひず)ませた音色。無造作に弾くピッキング。あえて崩してるように見せつつ、それでいて針の孔(あな)を通すような、精緻そのもののギターリフ。

 CDで


アヤカシ喰い依子さんの非常食(伊乙式) - カクヨム
彼女の恋人になった。そして、いつか喰われる……かもしれない

「付き合ってください」

 広大な記念公園の一角で、俺は意を決して告白した。
 目の前に立つ可憐な美少女は、何度もまばたきをする。
 彼女の名は御影依子。名門女子校に通うお嬢様で、奥ゆかしい雰囲気を纏っている。綺麗な黒髪に合わせた黒いワンピースがよく似合っていた。
 彼女のガラス細工のように綺麗な目は、俺を不思議そうに見つめる。

「あの、狛村さん」
「うん?」
「同伴はいいとして、どこに行くの


『少女は黄昏(ソラ)へ翔んでゆく』(沐川 九馬) - カクヨム
運命は赤い棘のかたちをして、僕に忘れ得ぬ傷をつけた。

 昔から、夜空を眺めるのが好きだった。

 望遠鏡で星を見るとか、キャンプに行った先、芝生に寝転んで見上げるとか、
そういう特別な経験をした訳じゃない。
 ただ、夜空を見上げるのが好きだった。自分の部屋で、窓越しに。

 それが嫌になったのは、中学に入った頃だったろうか。
 初めて顔にニキビができて、自分の顔を見るのが嫌になったんだ。
 夜空を見上げると、窓ガラスに自分の顔が映り込む。鼻の横の吹


ケツ割り箸魔法少女装少年セイントヒップ(デバスズメ) - カクヨム
悪霊を成仏させるのは、アクロバットふんどしスパッツ魔法少女装少年

「次、割下(わりした)!」
呼ばれた少年は立ち上がり、目の前の難関を睨む。

跳び箱5段。中学1年生にしてはちょっと低い段数だが、彼にとっては脅威のカベだ。
ピッ!体育の先生が笛を吹く。勢い良く走り出し、勢い良く板を踏み、飛び上がり!……飛び箱の上に着地した。

「うーん、もうちょっとだったな。もっと思い切っていけば大丈夫さ!」
先生がそう言う。しかし、割下にはそんな自信はなかった。
「はぁ……


東京ダンジョンEE(リンゴあきと) - カクヨム
異形を喰らい、生き残れ 

 一人の少年が手術台の上で静かに佇んでいた。

 端正な顔ながら、手入れの行き届いてないボサボサの頭で天井を虚ろな瞳で見ている。

 その少年、川蝉透(かわせみとおる)の視界には眩しいライトがあるだけだった。

「麻酔を投与しますね」

 医師の軽い言葉と共に、点滴の管が刺された腕に激痛が来る。

 だがその痛覚が消える間もなく、川蝉の精神は深い底に落ちていくのだった。

         *


嘘から出たフォント ~いのち短し、恋せよ、デザイナー~(菖蒲あやめ) - カクヨム
魔女のちからで、フォントが擬人化! さあ――、デザインを始めようっ!

「――ちゃん、こんにちはっ!」
「う、うん。こんにちは」

 幼稚園児くらいの女の子がふたり。初対面だろうか、片方の女の子はすごく積極的に場を仕切り、もう片方はおどおどとその場で佇んでいる。まるで、知らないところへお邪魔しているみたいに。
 そこは、ピンク色の空間だった。多幸感に満ちた、夢のようにふわふわとしている、しあわせな女の子だけの空間。

 もう少しカメラを引いてみる。豪華絢爛な家具が見


聖夜のスプリンター Reasons to run on the Holy Night(RAY) - カクヨム
俺は走る。あいつのために――あいつの夢を守るために。

「――母ちゃん、何て言うかな?」

 黄色の通学帽を被(かぶ)り黒いランドセルを背負った男の子が、クリスマスの飾り付けがされた、師走(しわす)の商店街をうれしそうに駆けて行く。
 右手にしっかりと握られているのは、クリスマスカラーが目に鮮やかな写真立て。図工の時間に出来合いの木製フレームを使って作ったもので、塗色されたフレームには、紙粘土で作った、サンタらしきものとトナカイらしきものが貼り付い


Justice Breaker(狼狽 騒) - カクヨム
少年は【魔王】となり【正義】を破壊する

 七年前。
 クロード・ディエルは唯一の肉親であった母を殺された。
 殺したのは――ロボットだった。

【ジャスティス】

 大国【ルード】にて開発された、正義の名を持つ、直立型の二足歩行兵器。
 その漆黒のボディは闇の中に消えるのには最適なカラーであり、かつ大型にも関わらず静かなことから、敵国は睡眠不足の苦しみを強いられた。また、ジャスティスは設計図などが一切残っておらず、動力源すら分からない


たとえこの身が灰になったとしても、俺は何度でも君に愛を誓うだろう。(ayane) - カクヨム
「紅き唇を俺に差し出せ」愛した殿方は青き瞳のヴァンパイアでした。

 ――永禄十年

「市、お前の婚儀が整った。近江国、浅井長政の元に嫁ぐがよい」

「兄上様……」

 兄上である織田信長の命令は拒むことなど出来ない。兄上の命令は、即ちわたくし達兄弟の宿命だから。

 わたくしは三つ指をつき、兄上に深々と頭(こうべ)を垂れる。

「有り難き幸せに御座います」

 この戦国の世。
 幸せなど、本当にあるのだろうか。

 おなごは政略結婚や人質に使われ戦の駒となる。


蛮痴羅1・2・3 - PANCHIRA・TRILOGY - (リトルデーモンJ) - カクヨム
『パンツを見られたら結婚』条例、20XX年施行

 二〇XX年七月某日。
 甲信越の地方都市、鬼神(おにかみ)市。
 鬼神高専の一年二組に、武装した警官隊が突入した。

「浅井! 浅井の娘はいるか!?」

 生徒たちは、口をぽかんとあけたままだった。
 警官隊はそのなかから、ひとりの少女を引っぱり出した。

「浅井記者の娘だな?」

 少女は大きくツバをのみこんだ。
 すると手錠(てじょう)がかけられた。
 生徒がざわつくと、警官隊は一斉にアサ


Arms Creator-アームズ・クリエイター (御子柴奈々) - カクヨム
創造に想像を重ね、少年少女は戦う

 爆発。

 全ての音をかき消し、全ての存在をもかき消すほどの爆発が生じる。

「「アアアアアアアアアアアアッ!!!!!」」

 互いに叫び声をあげながら、後方に位置している木々にぶつかることでその勢いはやっと止まる。

 吹き飛ばされた二人の男女は、なんとか立ち上がろうとするも負傷がひどいのか、中々立ち上がることができない。

 男の姿は酷いものだった。ぐちゃぐちゃの髪に、全身に付着している


夜猫ジュブナイル(佐々木匙) - カクヨム
僕と彼女の夜は、形を変えて走り出す。

 長瀬夜子(ながせよるこ)は、高二の春先に転校してきてから半年経ってもまだ『謎の転校生』のままだった。

 愛想が悪いというほどではないが、大抵窓の外をじっと見るか、布のカバーがかかった文庫本を読むかしているので声がかけづらい。長い真っ直ぐな黒髪と、吊り気味の大きな目も近寄りがたさに拍車をかけていたかもしれない。黒いセーラー服に黒いカーディガンを羽織れば、彼女はまるで名前通り夜の化身だ。こんな気


絵・美・死~ABC~ 色の魔術師(織田崇滉) - カクヨム
幻術の罠をかいくぐれ。真実と戦え。色彩学で敵を暴く異能サスペンス。

   序幕(アバンタイトル)

 放課後、美術部が壊滅した。

 木の葉が紅く染まる初秋。
 一〇名足らずの部員たち。
 美術室で暴れ回り、破壊の限りを尽くし、何事かと顔を覗かせた一般生徒も巻き込んで、一人残らず病院送りという有様。

 助かったのは、夏に引退した三年生の元部長ら二名と、たまたま居合わせなかった顧問の美術教師、名前だけ在籍している幽霊部員の男子生徒一名のみ。
 砕けた机。
 引っ


ネトゲをマクロで俺つえええしたかっただけなんだ......(勘違いギャグ)(うみ) - カクヨム
完結!あらゆる角度から主人公を落とす!必ずだ。

 白銀のプレートメイルに、鮮やかな藍色のスカート。それを覆うようなスカイブルーのプレートに身を包んだ騎士風の少女は、身の丈に見合わない禍々しい真紅の槍を背に抱え、歩を進めている。
 煌びやかな鎧をまとった騎士達は、彼女に道を開けるよう左右に位置をずらす。

「リベール!」

 歓声が響く。この一言が開始の合図となり、騎士達は口々にその名を呼ぶ。

「リベール!リベール!リベール!」

 少女騎士


魔王さまのスマホダンジョン~課金する?~(十一屋翠) - カクヨム
ダンジョンに入る前に【課金ガチャ】はいかがですか?

「ご覧下さい。あれこそが突如秋葉原駅電気街口前に出来た謎の門です!」

 テレビ局のリポーターであろう女性が、カメラの前でマイクを片手に奥にある謎のオブジェを指差す。
 それは門だった。

 秋葉原駅電気街口の改札を出て右側に出ると、飲食店とビルの間に小さな広場がある。
 そこは大量の人が通る為のただのスペースであった。
 だが、何もないはずのそこに、石造りの門と言う現代と逆行する構造物が鎮座し

まとめ

40作品、まずは200文字、思わず読み込んでしまいました。Twitter界隈では有名な作品もあったりして、私も結構読んでるなーという。個人的好みで言えば、半分くらいが「この続きマジ気になる!」ってくらいです。他のジャンルも同じくらいかなぁ。ただ、どの作品も「読める」んだろうなと思う次第。

あと、「現代ファンタジー」部門で強く感じたのは、総じてすごくビジュアル的だなっていうことです。理解するというより、感じる方向性が強いというか。これはあくまで個人の感想ですが。現代ファンタジーを目指すなら、まず冒頭200文字で作品の「色」を強く印象付けた方が良いかもしれないなぁと思いました。

という感じです。こちらに他の冒頭200文字シリーズもまとめてありますので、ご参照の程!

さて、今回の記事はお役に立ちましたでしょうか。

それでは良き執筆ライフを!

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