前回の「小説家になろう」版に続き、「カクヨム」の方も、ようやく「異世界ファンタジー」「完結済み」「1万文字以上」「★100以上」作品のタグを全部取得できました。結局Pythonに頼りました。無理、あれ手作業無理。タグをコピペしてみればわかる。ちなみに対象作品は194作品。「ハイファンタジー」の人気作品サンプルとしては十分でしょう。
(2019/05/12追記: 「恋愛」タグについても分析しました!)
(2019/05/13追記: 「ラブコメ」タグについても分析しました!)
集計結果
ではさっそく、1~10位です。
順位 | タグ名 | 件数 |
1 | 暴力描写有り | 100 |
2 | 残酷描写有り | 96 |
3 | カクヨムオンリー | 53 |
4 | 異世界 | 51 |
5 | 性描写有り | 42 |
5 | 魔法 | 42 |
7 | ライトノベル | 36 |
8 | ファンタジー | 29 |
9 | コメディ | 25 |
10 | チート | 23 |
所謂公式タグ「暴力描写有り」「残酷描写有り」がついてる作品が半数を占めます。恐るべき数値です。が、「小説家になろう」でも、「残酷な描写あり」が100作品中76作品についていたので、なんだかんだ言ってバイオレンス系が人気のようです。
注目すべきは「カクヨムオンリー」。194作品の1/4にあたる数の作品につけられています。実は地味に使われるタグなのかも? 「異世界」ファンタジーなのに、わざわざ「異世界」タグをつける人が多いようです。これは「小説家になろう」の名残というか通例を引き摺ってるのかもしれませんね。また「ライトノベル」も需要が高いです。
また、属性にあたるのは「魔法」が42、「チート」が23ですが、「小説家になろう」ほど属性の設定はありません。「主人公最強」に至っては後述しますが17位ですしね。
というわけで、11~30位くらいまで見てみましょう。
11 | 異世界転生 | 21 |
12 | 異世界転移 | 18 |
12 | 剣と魔法 | 18 |
14 | 勇者 | 17 |
14 | 恋愛 | 17 |
16 | ほのぼの | 16 |
17 | 主人公最強 | 15 |
18 | ダークファンタジー | 14 |
18 | ハーレム | 14 |
20 | シリアス | 13 |
20 | ハイファンタジー | 13 |
20 | バトル | 13 |
20 | 冒険 | 13 |
20 | 魔王 | 13 |
25 | 男主人公 | 11 |
26 | 転生 | 10 |
26 | ラブコメ | 10 |
28 | ギャグ | 9 |
29 | 女主人公 | 8 |
29 | 美少女 | 8 |
「異世界転生」「異世界転移」はほとんど同数ですね。敢えて書く流れもあるようですが、比率的には10%。微妙な所ですね。「主人公最強」「ハーレム」はそれぞれ17、18位と、「小説家になろう」に比べてグッと下位です。「ダークファンタジー」「シリアス」には一定の需要はありますが、それぞれ10%未満であるため、無くても影響は少なさそうです。ただ、そっちの層を狙う場合には有効ですね。「バトル」にも需要はほとんどありませんし「魔王」「勇者」もニッチなタグと言えそうです。
まとめ
ここまでを考えると、公式三大タグ(「暴力描写有り」「残酷描写有り」「性描写有り」)は制覇しておいた方がよさそうです。「カクヨムオンリー」の割合がかなり高いのは、もしかすると「なろうで読んだ作品じゃないのを読みたい」場合などに(転載作品回避用として)検索で使われるってことなのかもしれません。
またジャンルが「異世界ファンタジー」であるにも関わらず「ファンタジー」「異世界」「異世界転移」「異世界転生」というタグも目立ちます。どれか一つは当てはまるはずなので投入しておくに越したことはありませんね。
作品雰囲気に分類されるようなタグで頻出しているのは、「ライトノベル」「コメディ」「恋愛」「剣と魔法」「ほのぼの」「主人公最強」「ダークファンタジー」「ハーレム」「シリアス」「ハイファンタジー」「バトル」です。特に「ライトノベル」「コメディ」「チート」はそれぞれ上位10位に入っているため、非常に有効です。全部投入することも可能です。
少々乱暴ですが、以下のようなタグ構成作品に需要があるという仮定ができます。
- 公式三大タグ(「暴力描写有り」「残酷描写有り」「性描写有り」) を制覇
- 「カクヨムオンリー」を入れる
- 「ファンタジー」「異世界」「異世界転移」「異世界転生」から1つを入れる
- 「ライトノベル」「コメディ」「チート」から最低二つは入れる
- ↑で選んだタグを、上記表の上位を優先に補完する(「コメディ」を択んだなら「ほのぼの」や「恋愛」を入れるなど)
- ダーク系、シリアス系は、狙うなら徹底的に狙って数少ない読者を確実に囲い込む
タグから物語が見えてきますね。「小説家になろう」よりは重ための物語が求められている印象ですが、それでも需要の上位を占めるのは「手軽に読めるけど、ちょっと刺激のある」物語ということになるでしょう。ただし、「小説家になろう」よりも、物語の種別が多岐に渡っているとも推測できます。「小説家になろう」で評価されなくても、「カクヨム」ならあるいは逆転の可能性があります。ダーク・シリアス系も上位といえば上位ですしね。
ということで。異世界ファンタジー(ハイファンタジー)についての分析は以上のようになりました。
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