さてさて、このサイトでは、これまでに数十回の作品分析を行ってきています。タグだったり、あらすじだったり、冒頭200文字だったり。それぞれの傾向分析に関しては他サイトに任せるとして、ここでは私のオピニオンを語ってみたいと思います。
一式鍵の略歴
「小説家になろう」との出会い
私は10歳の頃(1980年代後半)から小説を書き始め、20歳の頃には自分のWebサイト(ホームページ)で発表を開始、しばらくの休眠期(書いてはいた)を経てつい数年前に再開しました。そのときのプラットフォームは「小説家になろう」でした。公募に出した「セルフィッシュ・スタンド」という作品を掲載したのが始まりだったと思います。この「セルフィッシュ・スタンド」こそ、現在「カクヨム」に掲載されている「セイレネス・ロンド」のマリオン編第一部だったりします。今は「小説家になろう」から削除してしまいましたが。
実はこちらに詳しく書かれていますので、ぜひご参照ください。
「カクヨム」との出会い
「小説家になろう」では全くどうにもptが増やせずもがいていました。もがいていた時に「カクヨム」がプレオープン。事前登録を済ませ、正式オープンを待ちました。そこで掲載した作品が、まぁたくさんあるわけですが(現在非公開なものを含め)、その中でもとりわけ評価されたのが、フラッグシップ作品である「セイレネス・ロンド」と、一式初のラブコメである「シスターシスター♡双方向性三角関係」の二作品でした。そこから先は鳴かず飛ばず(笑) ★3桁の壁を破れたのは(エッセイを除き)、この二作品だけです、今のところ。エッセイは★500超えたりしてるんですけどね。
こたえあわせ
さて、このページを見に来ている人は、「こたえ」を探している人だと思います。「読まれるための方法論のこたえ」ですね。あるいは「こたえあわせ」をしたい人か。
客観と主観
不思議なことに、 客観的なデータ分析をすることによって、自分の作品を見ていただけでは気付けなかったことがたくさんあります。自分の作品を評価しようとするとき、どうしても主観が入り混じってしまうからなんでしょうね。主観が入るという事は、客観的ではいられない。客観的でない限り、正確な分析と対策は不可能。
で、私のこれまでの抽出や分析の結果見えたものがいくつかあるので、それを以下に記載したいと思います。ただし、残念ながらこれは「こたえ」ではありませんし、仮に「こたえ」であったとしても、あなたはそれを実現できません。なぜなら、「こたえ」を反映しようにも、自分の作品においては主観が邪魔をするからです。ただ単に指標・指針としてのみ、参照していただければと思います。
注目の4要素
タイトルは仰々しく「注目の4要素」なんて言っていますが、その要素というのは至極単純です。では以下で順に見ていきましょう。
タイトル
長文タイトル一択。よほどインパクトのあるタイトルでもない限り、「〇〇は××だった」「〇〇が××である」のような長文タイトルである必要があります。私個人としては、「ロードス島戦記」「銀河英雄伝説」「ファイブスター物語」のような名詞でのみ形成されているか「〇〇の××」のような表現(名詞で終わる)が好きなんですが、時代の流れでしょう。実際に、このURLで見てみてください。2019/06/04現在、ほぼ長文タイトル。カクヨム総合人気作品のトップ集団のほとんどが「〇〇は××だった」系です。タイトルだけで目を引かない限り、まずウケません。名詞タイトルにこだわると、それだけで入り口が狭まる(PVが伸びない)ということですね。自ら不利に陥る必要はありませんから、長文タイトルで手を打つと、まずは良いかと思います。
私の「シスターシスター♡双方向性三角関係」も長文タイトルに含まれると思います。このタイトルは、「属性」と「関係性」を示しています。シスター=姉 or 妹ですし、それが2つ連なるとはどういう了見かという疑問を持たせられますし、「♡」によってなんらかハーレム的展開を予想させますし、「双方向性三角関係」というのが、またハーレム展開を予想させます。まぁ、本編でどうなるかは知ったこっちゃありませんが(←)、ともかくそういう狙いで作ったタイトルがコレ。そしたら当たったんですね。この作品、内容も面白いと自信を持って言えるんですが、何よりタイトルが強いんです。今日もまた新規読者さんが増えたようです(Google Analyticsを見るとわかる)
対する「セイレネス・ロンド」は、共に聞き慣れない単語で構成されています。「ロンド(輪舞)」の方はまだ知られているかな。でも、「セイレーン」の複数形である「セイレネス」はほとんど認知されてない単語だと思います。本作品のタイトルには訴求力はありません。現時点★140オーバーなのは、私の鬼のような営業があったからだと思っています(笑)
私は「おさまりの良いタイトル」を求めてしまう傾向があるため、読者獲得のための入り口が狭まっているのだという事がわかりました。が、「セイレネス・ロンド」に関しては、副題も含めてあれがあの作品なので、改題の予定はないのです。
キャッチコピー
……とは書きましたが、正直言って私はこれの効果には懐疑的です。確かにキャッチコピーはタイトルより目を引きます。いえ、引くと言われています。しかし、実際にはどうでしょうか。タイトルの方に目がいきませんか? 実際にカクヨム人気作品を見てみても、キャッチコピーが面白いのは「この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる」くらいです。ちなみにこの作品は、キャッチコピーとタイトルの合わせ技一本な感じがしますね。
空欄作品については全く論外です。作者の情熱が感じられないから。そもそも熱量のない作品に読者は集まりません。
なので、「あらすじのあらすじ」くらいの内容を詰め込んでおくか、「作品の雰囲気」を見せておくか……くらいの認識で良いような気がします。ここで悩むくらいなら、次の「あらすじ」や「冒頭」で頭を使った方がよさそうです。
あらすじ
こちらの記事で書いたように、「あらすじ」は非常に重要です。というか、「あらすじ」についてはこの記事で書いてあるので割愛します。ぜひ読んでみてください。
冒頭200文字
さて、本サイトでも幾度も言及している「冒頭200文字」。文庫本で言うと、開始5行程度です。しばしば「最初の3行」で本を読むか読まないかが決められると言いますが、今回は少し甘めに5行程度の文字数にしています。
200文字読むのは本当に一瞬です。数秒の世界でしょう。ですが、実際問題として「あらすじ」を通り超えてきた猛者たちですら、この5行でギブアップするのです。言い換えれば、人はいとも容易くブラウザバックするのです。惨い現実ですが、そんなものです。だいたいこの200文字で作者の文章力(読んでて苦痛になるかならないか)、思想、登場人物の描き方、ゴール(目的地)などが見えるのですね、良い作品は。それは直近ですと、こちらの記事が参考になると思います。
まとめ
以上のようになりますが、「読まれる工夫」より何よりも、まず大前提として「読まれるべき作品」を作る所から始まります。それがなければ、どんな工夫も無意味です。良い作品を作って、それからの話になりますので、まずは「自信を持って他人にすすめられる作品を書く」所から始まります。それが出来た次の段階で、ようやく「どうやったら読まれるか」という話が始まります。ここ間違えちゃいけません。
「どうやったら読まれるか」を考えるのはとても大事です。いくら良い作品を書いても、広報(あらすじとか、「見える部分」)がダメならダメなんです。評価されないんですね。評価されなくてもいいやというのなら良いんですが、これを読んでるあなたがたは「評価されたい」と考えているはずです。ならば、、上記の要素についてしっかり見直していく必要があるのです。もちろん、「他人にすすめられる作品が書けた」という前提で、です。
それをしたうえで、しっかりと「あらすじ」や「タイトル」を決めていきましょう! 「冒頭5行(200文字)」も大切ですよ!
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