さて、これまでの記事でも何度か書いてきましたが、これから小説投稿を始めようとする方たちに登録をお勧めしたいのが「カクヨム」です。すでに他のサイトでもアカウントを持っているという方も、「カクヨム」への登録をオススメシマス。
なぜ「カクヨム」なのか。
Google Analyticsがあるから
答えは単純明快。Google Analyticsがあるからです。こいつの使い方、見方を覚えておいて損はしません。各サイトになんとなくついているPVチャートを見るよりもずっと、Google Analyticsは多くの情報を与えてくれます。何のデバイスを使っているのか、よく見られる時間帯・曜日はいつなのか、男女比はどうなのか、などなど、実に多様な情報を与えてくれるからです。
Google Analyticsについては適当に検索すれば欲しい情報は手に入ると思います。が、もし厳しいようでしたら、このような書籍を手にすると良いと思います。何でも知っていれば財産です、覚えましょう。あと、実際に触ってみましょう。
TwitterなどのSNSは広く普及しましたが、それでも一般の方はGoogle Analyticsを導入する場所も機会もないはずです。ブログをされている方は導入していたりもするでしょうが、そうでなければ知る機会すらないはずです。
が、カクヨムに登録すると、なんと! ちょこっと設定をいじるだけで(もちろん公式の方法です)Google Analyticsを導入することができるのです。これはすごいことなんですよ。もちろん、導入は公式の説明を読んでもらえば一目瞭然、簡単です。すごく簡単です。
Google Analyticsがないと?
自作品の欠点が見えません。延々動かないPV、増えない評価・ブクマ……何が原因なのか、考えてみても答えになる材料はありません。推測で動くしかありませんし、しまいには自作品卑下なんてことに……。
「小説家になろう」などでは「トップページブラバ率」もわかりませんから、誰かが来てるのか、誰も来てないのかすらわかりません。作品トップページを見て、そこでブラバ……となれば、直すところはトップページなわけです。また、各話のPVもカクヨムではかなり正確に取得できますから、Google Analyticsの集計は必要ありません。
ともかくGoogle Analyticsがないと、我々一般人程度のPVやフォロワーの数では、対策の打ちようがないのです。動かないPVを前に「宣伝が足りないのか」「トップの魅力が足りないのか」の無駄な試行錯誤を繰り返すことになります。効果測定ができないのですから、当然ですよね。
カクヨムは、見た目がキレイ
一発目の印象がこれでした。そして基本的に軽い。つまり、早い。
投稿するのも楽ですし、読むのもすごく楽です。アプリもきれい。良いところ尽くしで、正直今のところ不満はありません。見る側の立場に立ってみれば、たとえばこんな具合です。
フォントがものすごくキレイで、見た目も無駄がなくてスッキリ。きれいでしょ?
ちなみにこれは「セイレネス・ロンド」の序章。type declaration statementってありますけど、これ「型宣言」っていうプログラム用語です。豆知識。
縦書きも一緒においておきますけども、これがべらぼうに読み易いと評判。私は横書きの方が読むのが速いんですが、縦書き派の人も満足です。ちなみに「書いてる時のプレビュー」も縦書き対応しています!
バックアップも簡単&一括非公開が簡単
↓に画面ショットを置いておきます。
説明不要なくらい、簡単簡潔ですよね。こういうところなんです、すごいのは。さすがKADOKAWA&はてな。技術力や構成力は「小説家になろう」をはるかに引き離しています。
否定されない、罵倒されない
レビューや応援コメントなど、カクヨムでは「傷つけるような表現」は禁止です。ゆえに「なれあい」などと言われたりすることもありますが、素人の批評ほど役に立たないものはありません。なので、そんな役に立たないどころか、作者の心を疲弊させるようなものは、無いに越したことはありません。
そもそも「妥当な批評」を受けたいのならば、公募なりの評価シートをアテにするはずです。くりかえしますが、素人の批判・批評ほどクソの役にも立たないものはないのです。
この画像でわかるように、「誹謗中傷」はもちろん「誤字脱字の指摘」すらNGです。カクヨムでは好意的なコメントやレビューしか許可していないのです。これが空気を清浄化しているのは間違いありません。
逆に、厳しい指摘が欲しければ、他のサイト(「小説家になろう」でも良いでしょうし、「作家でごはん」でもいいでしょう)に行けば良いのです。また、カクヨム投稿でも厳しい指摘をもらうことは可能です。ツイッターで応募すればいいのです、自発的に。なので、カクヨムで「できない」ことはないというわけですね。
「カクヨム」のここがダメ
良いところを挙げたら、悪いところも見ておく必要がありますね。
読み手が少ない?
正直、ちまたで騒がれるほどは少なくはないと思います。良いものを書けば伸びるし、トップクラスの作品についてる★を見ても、少ないってことはないと思います。ぶっちゃけますと、「カクヨム」で評価がつかない作品は、「小説家になろう」でも評価は付きません。「カクヨム」でそこそこ評価されたものは、「小説家になろう」でもそこそこ評価されます。これは実際に私が試してみた結果です。もちろん例外はあるでしょうが。
しかしながら、絶対的なユーザ数には差がありますので、その事実だけは認めざるを得ないですね。
評価がもらいにくい?
……といいますけど、評価されるべき作品は評価されていると思います。一定数は埋もれますが、それはどこのサイトでも一緒でしょう。もちろん、「小説家になろう」のように数千数万ptがつくなんてことはなく、★100(=40~60名程度の評価者)つくような作品であればそこそこ優秀な作品だと思えます。
「小説家になろう」のユーザ数は150万を超えています(2019/05/08現在)。「カクヨム」では30万人くらいだと思いますので、5倍の開き。未登録の読者さんたちを考えると、ほとんどは「小説家になろう」に行ってると思いますが、面倒なので5倍とします。「小説家になろう」では、一人12ptを評価ptにできますが、5/5を入れることはあまりないと仮定して、一人平均10ptとします。「カクヨム」も★2.5くらいを基準にします。4倍ですね。掛け合わせると20倍。ということは、「カクヨム」で★100ということは、「小説家になろう」では20倍の2000ptくらいに該当すると考えられます。ザックリ計算で恐縮ですが。★5個で100ptと思うと、「評価されない」ことはない気がします。見た目に惑わされないで欲しいですね。
ただし、なんだかんだ言っても、評価してくれる絶対数が1/5程度の人数ですから、認知バイアスなどの働きによって、簡単に評価に大きな偏りが出てしまいます。これは大きなデメリットでしょう。
(5/16追記)以下のページでは、「カクヨム」と「小説家になろう」の★とptについて、データで比較をしています。ジャンルによって倍率がこんなにも違うんだなという事が分かると思います。ぜひご参照ください。
- 【SF実績対決】カクヨム vs 小説家になろう【データで比較】
- 【恋愛・ラブコメ実績対決】カクヨム vs 小説家になろう【データで比較】
- 【ハイファン実績対決】カクヨム vs 小説家になろう【データで比較】
心が折れるか否かは考え方次第
「小説家になろう」と「カクヨム」、その他。「カクヨム」はめったに★が動かないので心が折れがち……かもしれませんが、「カクヨム」で評価されないものは「小説家になろう」でだって評価は入らないのです。そっちの方が心にきませんか? どこの投稿サイトもそんなに甘くはないです。
であるならば、やはり上記メリットを考慮して「カクヨム」を択ぶのが賢いのではないでしょうか。
登録は簡単なので、まずは騙されたと思って「カクヨム」にいらっしゃい。二重投稿したって良いわけですし。
また、PVについてはこちらの記事も参照していただければ幸いです。
(2019/05/17追記:読み手向けの「カクヨム登録のすゝめ」も書きました)
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