Web小説のPVについて考えてみる

エッセイ

読ませる作品を書こう

公募とWeb小説は、そもそもスタートが違う

読まれなければ何も始まらない——Web小説というのはそういうものです。公募であれば「読まれる」前提はクリアできるので(下読みさんが必ず読む)、いかにして「読ませる」かになるわけですが、「カクヨム」「小説家になろう」「エブリスタ」……数々のWeb小説のほとんどは「読まれません」。もちろん「読まれる」作品はありますし、クオリティの低さに反してPVを叩き出す作品、クオリティの高さに反してPVが出ない作品など、よくわからない現実というのも確かにあります。ですが、そのほとんどの作品は「読まれることなく埋もれていく」のです。この辺、実感ある方多いんじゃないでしょうか。

とかくPV増やす方法ばかり検索されるのですが

私の「はてなブログ」なんかでアクセス解析すると、とかく「PV 増やす」とかそういうキーワードで検索されてるんですね。何もでねーっちゅーねん。私も知りたい。ので、残念ながら当記事でも「PVを増やす」方法は書けません。実績がないですからね。

でも考えてみてください。いくら頑張ってアクセスしてもらったとしても、読者ってのはシビアでドライです。セイレネス・ロンドの世界も斯くやと言うくらいドライです。さりげなく宣伝ね。ともかく、読者という立場に立つと(たとえ普段「書き手」であったとしても)途端に人間はシビア&ドライになる生き物です。なにせ時間と言うかけがえのないものを投資する立場になるわけですからね。どこの馬の骨ともわからぬ人の作品に対して。もはや博打ですよ。だから、あらすじ→ブラバ、第一話→そっ閉じ。これらが当たり前に発生するのです。私もGoogle Analyticsでどれほど忸怩たる思いをしているのかと。

でもって訊きたいのは……あなたの目的、「見せかけのPVを集めること」ではないですよね? 単にアクセスしてもらえたって実績が欲しいわけじゃ、ないですよね? ってことです。

そもそも読んで欲しいというのは?

そもそも読んで欲しいというのは、どうしてですか? 数字が欲しいだけですか? 違いますよね。

読んで没入してほしいとか、共感してほしいとか、感動してもらいたいとか、この世界で語り合いたいとか、そういうのが「書いて発表した」目的ですよね? 違いました? 読者=数値だと思ってはいませんよね?

読者は読者、人です。自由意思を持ち、知性を持つ人です。少なくともWeb小説、つまり文字の羅列に世界を見出そうとする程度には高度な知性を持っている人たちです。馬鹿にしちゃいけません。数値じゃないのです。

果報は寝て待て

果報は寝て待て……つまり、準備を万端にして来るべき時を待てということです。我々「書き手」がする「準備」というのはたくさんあります。一つ、と言いたかったんですが、実際にたくさんあるのでたくさんと正直に書きました。煽り記事なら「準備すべきことはただ1つ!」とか言うんでしょうけど、私・一式鍵は正直なのでそういうあおりが出来ません。ああ、ブロガー向きじゃないなと今思いました。

とにかく必要な「準備」はたくさんあります。が、最も優先してすべきことは何でしょうか?

これは本当に「1つ」ですね。良い作品を書く、です。簡単でしょう? え、そんなはずはない?

良い作品を書いたって、読まれなければ意味ないじゃないか!

そんなアムロみたいなセリフを吐かれても困ります。古谷さんの声だとしても、「大丈夫、あなたならできるわ」とか答えてあげません。「セイラさん……!」となるよりも早く「二度もぶった!」になること請け合いです。

ともかく、読まれないと意味がない。その発言をしたのなら、その胸に手を当てて考えてみてください。大きさは関係ありません。とにかく胸に手を当ててください。硬さもこの際どうでもいいです。あ、ご自分のバストの状態についての報告も要りません。しこりがある方は病院へ。

ともかく。

順序は間違えていませんか。
読まれたなら、読んだ人を満足させられるだけの作品が書けていますか?

半年後に読み返しても大丈夫と、自信を持って言えるか?

10人読んで10人満足は難しいかもしれませんが(ていうか、そんなのは東野圭吾先生ですら無理だ)、まずは10人中1人を確実に満足させられるような出来にはなっていますか? 絶対に〇〇な人には刺さる! そう言う事ができますか。そう言える作品になっていますか? 自信ありますか? 半年後に自分で読み直しても同じことが言える——と、今おもえますか?

……YESならばよし、読まれる努力をしてもよし。読まれなければ意味がないと言っても良し。

NOが一つでもある。あるいは一つでもYESと言い切れないものがある。のであれば、「読まれる」以前の問題です。いろんな手段を使って「読まれた(アクセスされた)」としても、せいぜい第一話~第三話くらいのPVがちょっと伸びておしまいでしょう。これはこれでとてもつらいものです。であるくらいなら、最初から読まれない方がまだマシなんです。

読ませる作品に仕上げよう

まずすべきこと

コンセプトデザインとかマーケティングとか、そういう専門性の高いことは他の方々にお任せします。私が改めて書くことではないからです。必要ですよ、どっちも。が、私は今のところあまりうまくいってないので、えらそうなことが言えないのです(笑)

で、まずはすべきことですが、(といいつつ、私がやってることですが)とにかく「暇があったら世界を創る」ことです。とにかく一つでいいので、とことん! とことん! 作り込んでみてください。自分の脳みそから湯気が出るくらい。そう、いうなれば、TRPGのルールブックを作るくらいです。例えば異世界ファンタジーであれば、それこそ死ぬほど考えるべきことはあります。言語やインフラ、経済、政治、宗教、土木技術、農業、科学技術、魔法体系、異種族、などなど。とりまどうしたらいかわからないという方には、地図を作るのをお勧めしたい。手書きでも良いし。とにかくいっぱい書き込むんです、情報を。距離感とか意外に重要ですよ。ドラクエ3やってた頃とか、よく方眼紙に地図書いてたっけなー……とかいう体験も重要だったのかもしれません。

少し話を戻して。

現実世界を踏襲した現代ファンタジーや近未来SFでは考えるべき項目は少し減りますが、それだって簡単な事じゃないです。日本を舞台にした現代ファンタジーなら、そのインフラや科学、言語などについて考える必要はほとんどありませんが、じゃぁなぜ「その人を主人公にしなきゃいけなかったのか」とか「なぜリアル社会にそんな事件が起きるのか」とかいう所を考えなくてはなりませんからね。ゼロベースで考えられる異世界ファンタジーより、むしろ厳しいかもしれません。

私は異世界ファンタジー、SF、ラブコメ、現代ファンタジー、ホラー……などを作りますが、どれもこれもとことん考え抜いて創っています。「世界」作りに一番力を入れるかな。そしたら「人間」にもリアリティが出てきます。ま、相補的なんですけどね。というわけで、前のエントリ「「プロット」という単語の功罪」と合わせてごらんいただければと思います。

あとはひたすら書き込む。

「世界」と「人間」が作り込めていると、スラスラ書けるようになるのです。これは本当、急がば回れ、騙されたと思ってやってみてください。シリーズものだってサクサク書けます。まず最初は持てる情報を全て書き込みましょう。ウザいくらい書き込んでみてください。10万文字着地を目指すなら、12~13万文字書くのです。15万行ってもいい。

そしてクールダウン。三日から一週間くらい置きます、私は。要は「書いていた時の熱」を冷ますんですね。

研磨の世界は職人の世界

再び原稿と向き合います。そして、10万文字を目指して削り抜きます。この作業が一番苦痛ですが「仕上げ」です。この作業の巧拙が作品の完成度を決めます。金属加工の最終研磨作業のようなものです。どれだけ精緻に作られていてももそっとザラっとした表面の百式よりも、金ぴかの百式の方がかっこいいですよね。百式を知らない? そんな大人、修正してやる!

とにかく削ります。そして10万文字に着地しましょう。私がほぼ狙ったところにスピードを落とさずに着地できるのは、この研磨作業に慣れがあるからです。良いんだか悪いんだか。

で、研磨の時に気付くはずです、恐ろしいことに。

「割かし深い傷(矛盾や伏線未回収)」があるということに……。しかしここで気付けばまだセーフ。そこを直して再び研磨すれば、必ず輝きます。そして深い洞窟の奥で作品は眠りにつくのです。誰かに発見されるその日まで。

発見されても「宝だと気付かれない」としたら損ですよね。だから、金ぴかにしておく必要があるのです。発見されても「持ち帰ってみんなに見せよう!(自慢しよう!)」と思われない限り、それで終わりですよね。だからこそ、哀しい出会いと別れをしないためにも、しっかりはっきりと「これは……いいものだ!」と言えるようにして準備しておく必要があるのです。

「読まれるようにする」のは、その次のステップです。「読ませる作品」を書くことがまず一番最初に必要なことなんだよ。みんな勘違いしすぎだよ。

そんなことを思う次第です。

今回はガンダムネタ大目でお送りいたしました。THE ORIGIN見直して、その感想まとめページとか作ろうかな(笑)

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